田中、またもプロの洗礼浴び6失点…

　初回は3者凡退に抑え、順調に滑り出した全パの先発・田中だったが、2回無死二、三塁で巨人の阿部が内角速球を振り抜き右翼スタンド最前列に叩き込む逆転3ランを打たれた。高校を卒業したばかりの新人にプロの洗礼を浴びせる一発。6月26日の交流戦での対戦は、2打数無安打に抑えられ白星を献上。球宴の大舞台でその借りを返した。
「いいピッチャーだから、対戦できるだけでも良かったが、何とか打てればと思った」。巨人の4番として意地の一打。セ・リーグの捕手では1992年第2戦の古田敦也（ヤクルト）、巨人の捕手では81年第3戦の山倉和博以来の本塁打で、自身初のMVPに輝いた。「いい気分転換になった。前半戦の最後はあまり打てなかったので、これがいいきっかけになってくれればいい」。今季は19本塁打61打点の活躍。攻守にわたりチーム浮沈のカギを握る主将は、喜びの中に新たな決意を込めた。